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なんども読んだ名作
2002.4.30

 


minami

アンデルセン
アラビアン・ナイト
小公女
にんじん

 

アンデルセン  

マッチ売りの少女  昭和45年7月15日発行

アンデルセンというと、みにくいアヒルの子とかマッチ売りの少女が
有名ですが、何度も読んで情景までしっかり心に残っているのは
「白鳥の王子」「ナイチンゲール」「あるお母さんのおはなし」です。

母に買ってもらった偕成社「マッチ売りの少女」は挿絵がとてもきれいで、
特に白鳥の王子の末の妹がとてもかわいく描かれていて、大好きでした。
11人の王子が継母の魔法で白鳥に変えられてしまい、
妹はその魔法を解くためにとげのはえたイラクサで上着を編まなければならない。
そして一言も話してはいけない。
王様の妃にされて、悪い司教に魔女だと言われてもなお処刑されるその日まで
上着を編みつづけて、兄たちを人間の姿に戻すという
芯の強い少女がわたしの心を打ちました。
材料となるイラクサがなくなり、真夜中の墓地へ取りに行かねばならなくなって
そこで人骨をむさぼる青い顔をした骨だらけの魔女達に出くわし、
恐怖に耐えながらイラクサをつむ場面がなんとも恐ろしく、ゾクゾクして読みました
末の兄だけが片袖が間に合わなくて白鳥の翼が残ったままだったのですが
無事に魔法が解けたときのうれしさをいっしょに感じていました。

「ナイチンゲール」というのは中国のお話で、
ナイチンゲールという鳥を見たこともないのに、
その声がこの本から聞こえて来るような気持ちさえしました。
皇帝の「ナイチンゲールの歌を聞きたいがために
小鳥を自分だけのものにしたいという欲望」が不幸を引き起こします
思い通りにならない小鳥の変わりに機械仕掛けのうたう小鳥を
手に入れたとて、その欲望はかなえられず、皇帝は死の床に伏すのですが
ここにでてきた死神が怖かったです。
死神を追い払ったのは、本物の小鳥ナイチンゲールの歌声だったというところが
なにかうれしい、さわやかな気持ちにさせてくれました。
大人になってからナイチンゲールはうぐいすだということがわかり
皇帝の独り占めしたいという気持ちもわかりました。

 

「あるお母さんのお話」に出てくるサフランの花
生まれてきた子どもの命を表す花です
死神に連れて去られた子どもを取り戻そうと、母は若さや瞳を途中に出てきた
妖精??に差し出してまでも死神の庭へたどり着きます。
そこにあったのがサフランの花
いまにも枯れようとしている花を母は抜こうとして死神にたしなめられます
子どもの私には、苦労して子どもを連れにきた母に
なぜ子どもを返さないのか、そういう怒りを感じていました
母は最後に神様のみこころのままにと願って、子どもと分かれます。
とにかくかわいそうなお母さんと思って涙を流していました。

今、同じ文を読むと、この物語の意味がわかるような気がします
死神が、母に井戸の中をのぞかせるところで
幸福な命と不幸な命が見え、「どちらかがおまえの子どもの命だ」
と聞かれて、母は子どもが不幸になることを感じたのです。
ここで母は、未練を捨て神の御心のままにと言うのです。

子どもは自分の物ではない
神様のものだというキリスト教的な考えが感じられます。


アラビアン・ナイト 

偕成社  岩波少年文庫

minami絵

アラビアン・ナイトいえば「アラジンと魔法のランプ」です
いろいろな本で読みましたが、一番おもしろかったのが
偕成社「アラビアン・ナイト」です
設定が中国になっていて、魔人は辮髪(べんぱつ 満州人の髪型)にしているし
お姫様は魔法使いにとらわれたお城で胡弓を弾いているのです。
あのときは、こきゅうってなにかまったくわからずに読んでいましたが・・・
なのに、お城はアラビア風の尖塔が建っていて、ランプもあのつる首のです。
ランプの魔人と指輪の魔人がいて、力に強弱があり
わたしには「お城を運こぶ力はありません」といって引っ込んでしまうのが
おもしろかったです。
この本にはいろいろお話が収録されていて好きだったのですが
母が親戚の子に貸してしまいそのままなくなってしまいました
その中にあった
「ものいう鳥」
岩波少年文庫の「アラビアン・ナイト下」に入っていたのを見て
とてもうれしかったです。
どこの国でもある、兄弟の失敗談ですが
末の娘の知恵と勇気で兄たちが救われるというおもしろいお話です
なぜか、きゅうりの中から真珠が出てくる場面だけ覚えていましたが
この本でしっかり昔の記憶を呼び覚まされて、満足しています。
なおこれは、真珠づめのきゅうりの料理でした・・

こちらのアラビアンナイトは、大人になってから読んだのですが
摩訶不思議な感じがよく出ていて大人の方がもっと楽しめそうです。


小公女 

フランセス・バーネット作 偕成社 昭和45年11月20日発行

「小公女」は母の気まぐれで買い与えられた本ですが
やはり、少女がつらい状況にもめげずに知恵と勇気と
忍耐と明るさで強く生きていく話には、惹かれるものがあって
何度も読みました。屋根裏部屋に魔法が起きた朝の
あのセーラの驚きが、一番心に残っています。
「秘密の花園」は大人になってから読みましたが
このふたりの少女には、自分を大事にする手段を
子どもながらに持っていてそれをうまく使って自らを幸せにしていく
そういう強さを感じます。


にんじん 

ジュール・ルナール作 ポプラ社 昭和46年11月30日発行

この本だけは父が買ってくれました
あとにも先にも一冊だけの本。
昔映画で見たから、とそう一言添えて渡されました。
他には何も説明がないので不思議に思いながら読むと
あまりにも悲惨な場面が出てきて本を閉じました。

実の母による虐待の話だったのですから。
にんじんと呼ばれて、たべるものもろくにくれないし
何かするたびにおしおき。
にんじんは母への対抗で、裏をかいたりごまかしたり。
それがかえっておもしろいのですが
父が子どものころに似たような経験をしていたことを
それとなく知りました。
父はこの複雑な少年の心理をわかっていて、
私にこの本をくれたのだろうということがわかったのは
今このレヴューを書いている時がはじめてかも知れません。


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