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魔法、ファンタジー、ふしぎ、冒険

 

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ふたりのアーサー 影の王
みどりの妖婆 コーンウォールの聖杯
ふしぎをのせたアリエル号
呪われた航海 月神の統べる森で
鬼の橋 えんの松原
夏の王 妖精王の月
ドルイドの歌 歌う石
ハリーポッターと賢者の石 ハリーポッターとアズカバンの囚人
ハリーポッターと秘密の部屋 図説アーサー王の世界
「りかさん」 魔法使いハウルと火の悪魔
エルマーと16ぴきのりゅう タンタンチベットを行く  
ニルスのふしぎな旅 かけた耳
おっきょちゃんとかっぱ 大どろぼうホッツェンプロッツ  
ふきまんぶく 「妖精のキャラバン」
スチュアートの大ぼうけん なぞなぞ100この本
グリックの冒険 ガンバとカワウソの冒険
冒険者たち  

 

みどりの妖婆 闇の戦い2  スーザン・クーパー作  評論社

 
コーンウォールの聖杯が盗まれた。
一年前にドルー兄弟が洞窟の中から見つけ出した聖杯が
闇の者によって持ち出されるという事件で、ドルー兄弟はまたコーンウォールへやってきます。
みどりの妖婆が作られるときに合わせて聖杯が盗まれた、
とメリマン(メリーおじさん)が言った言葉が初めは全然わからなかったのですが、
奇怪で素朴なみどりの妖婆の出現、妖婆が海に沈められたその後
の展開になるほど・・・と思いました。

サンザシやナナカマドの枝を編んで作られた巨大なおばあさん。願い事をかなえてくれるという妖婆。
これは土地の女しか作ることを許されないのに、ジェーンは仲間に入れてもらえます。
メリマンの姪だと言う理由で。
他の女たちが自分本位な願い事しかしなかったのに、ジェーンは心を持たない妖婆に哀れみを感じて
「あなたが幸せになれますように」と願います。
海に投げ込まれ、海底にたどりついた妖婆が見つけたものが大変なものでしたが
それを最後にジェーンにあげるのです。

妖婆の手にしたものが何か知っていた闇の者、聖杯を盗んだ怪しい絵描き男はバーニーを催眠術にかけて
聖杯の秘密の呪文を唱えさせます。その呪文こそが妖婆を海底からよみがえらせる手段だったのです。
絵描き男は、光の古老であるメリマンと、ウィル、トムズ船長によって封じ込まれ、
妖婆の持つ例のものは闇の者には渡りませんでした。

今回の活躍者はジェーンでした。古老たちが闇の絵描き男を追い払っているときに、
妖婆がジェーンの寝室にほんとうにやってきて、例のものを渡したというのが最後にわかること、
闇の絵描き男のすみかが事件解決後に見る影もなく古ぼけてしまったことが、あまりにも不思議でした。

妖婆がジェーンにくれたもの。
それは、聖杯の中に隠されていた古文書だったのです。海底に沈んでしまったはずの・・・
古文書に書かれていた文字を解読したメリマンとウィルはこの先どうなっていくのでしょうか。ドルー兄弟は??
つづきは「闇の戦い3.4」で・・・・



ふたりのアーサー  
ケビン・クロスリー・ホランド作 亀井よし子訳 ソニーマガジンズ

原題は「Arthur the seeing stone」 
マーリンからもらった黒曜石のことをだれにも知られてはいけないし
しゃべってもいけないという約束の上で、石をのぞくアーサーの身の上に何かが起こる。
アーサーは荘園の次男で、兄のサールは騎士見習、アーサーも騎士になりたいと願っているのですが
父の思惑はそうではなさそうです。荘園で働く貧しい小作人のことを思い、いっしょに仕事をしたり
小作人をかばったりするので兄に、「お前はとうさんの荘園を弱体化させるつもりだ」と言われます。
兄がアーサーのことをカッコーだと言い、末の弟ルークが死んだときに作られた墓石に「4番目の息子」
と刻まれていたのを見て出生について疑問を抱くアーサー。
おまえさんは、はざまに立つ者とだマーリンに告げられたこと。
それは、世紀が13世紀に変わった朝、本当の父だと信じていたサー・ジョンによって解き明かされます。


なぜ、邦訳がふたりのアーサーか、それは黒曜石の中に現れる古い時代の情景が、
アーサー王の誕生秘話であり、13世紀のアーサーの出生の秘密にそっくりだからです。
アーサーは石を見つめながら、出生について将来について疑問と不安を持ち始めますが、
作者は上手にアーサー王と対比しているなと感じます。
現実のアーサーが暮らす中世の荘園の様子が領主、騎士、従者、小作人、職人、占い師などを通じて
くっきり描き出されていて、サトクリフの「運命の騎士」を思い出させます。

実の父を知り、希望どおり騎士見習として十字軍遠征に出発するアーサーに何が待ち構えているのでしょう
アーサー王との関連はどうなる・・・





影の王  スーザン・クーパー作  井辻明美訳 偕成社

シェークスピア劇を公演するためにアメリカからロンドンへやってきた少年ナットは
公演前夜に16世紀のロンドンに迷い込んでしまいます
そこにいたのは真新しいグローブ座で
真夏の夜の夢」を演じる少年たちと
本物のシェークスピア、実在した監督リチャード・バーベッジでした

ナットはアクロバットが得意で、少年劇団に入ることができたのですが
16世紀へ送られたのは、シェークスピアをペストから守るため
同姓同名のペストに罹った少年と入れ替わりになったということが後でわかります。

いつか、シェークスピア劇団に帰っておいでとシェークスピアに言われた
ナットはうれしくて、真剣に帰ってこようと思うのですが
講演が終わった時点で魔法が解けて元に時代に帰されてしまいます
「二度と帰れない」そういう切なさと心残りを痛いほど感じました

ナットを探し、真夏の夜の夢のパックに仕立て16世紀に送った、
その張本人がわかったときあっと驚き、なぜか安心感でどっとため息が出るのです。
その人はアービー (R・.B ) 少年劇団の監督。
なんとリチャード・バーベッジだったからです
彼こそが「影の王」だったのです

16世紀のロンドンがどっと押し寄せてきて、人々の体臭や町のにおいなどが
実感として伝わってくるのですが、それがまた読後には
懐かしくさえ思えます。
ナットは父を自殺という形でなくしていて、心の傷をシェークスピアによって
癒される、というのがこの物語の核心だと思います

シェークスピアがナットに送った詩が意味があって感動的でした

まことの心の結婚に
さまたげをゆるすことなかれ
愛は愛とは言えぬ
変化あるときに変化し
ものごとのうつろいのときに、うつろうのであれば
いな ! それはつねにかわらぬしるしなり
嵐のきたるときも、ゆすぶられることなし


ナットは父の死を乗り越えます

 



コーンウォールの聖杯 (旧版)   スーザン・クーパー  学研

コーンウォールの聖杯といったらアーサー王の聖杯探求の
物語が思い出されます
キリスト受難のときにその血を受けたといわれるさかずきを
見つけたものには栄誉が与えられる
そういう心理を描いたものがたりですが
本書は夏休みにコーンウォールで休暇をすごし始めた
三人兄弟が古い家の屋根裏で見つけた古文書を
解読したために事件に巻き込まれていくというサスペンスです

三人の見つけた古文書は、アーサー王の聖杯を何百年も前に
隠して世を去ったコーンウォール人が書いたものでしたが
「月が満ちたり欠けたりする、しかしなくなることはない」という暗号
「カップ(聖杯のこと)を海の上、岩の下にゆだねる」というなぞの言葉
「時が来ればペンドラゴンが現れ、悪は打ち砕かれる」という暗示

それらは三人が岬の洞窟からカップを見つけ出したときに解明されるはずでした
三人兄弟サイモン、ジェイン、バーニイを追う悪の集団が
彼らを危機に陥れ、カップを渡せと迫るシーンで
一番勇敢だったのが末っ子のバーニイでした
絶対にカップは渡さないと言い切った弟の勇気に
兄たちはがんばりを見せるのですが
カップの中に入っていた唯一秘密を解く言葉が書かれていた
第二の古文書は敵のために海に沈んでしまいます

アーサー王が現れて、悪を打ち破り平和な時代が訪れる
そのための第二の古文書に何が書かれていたのか
ものすごく気になる終わり方でした
三人を理解し助けてきたメリイおじさんがマーリン?? 
だとしたらバーニイ自身がアーサー王になれそうだと思いました
末っ子にしてあの勇気、賢さ
真っ暗な洞窟の中を姉の釣り糸のガイドと、兄がともすマッチの明かりだけで
カップを探し出し、渡すものかと切り出す力強さ
バーニーはアーサー王かも知れません

 

ふしぎをのせたアリエル号  リチャード・ケネディ ベネッセ

ものすごく厚い本ですが、すいすい読めて楽しかったです
アリエル号が、宝の地図をたよりに黄金をさがしに冒険の航海をするおはなし
といえば、スチーブンスンの「宝島」と同じなのですが
この本のおもしろいところは一等航海士をのぞいて船長と乗組員が
人形からできているということです。それもサルやアヒル、ブタ、イヌ、ネコの
ぬいぐるみなのです。
原題は「Amy's eyes」 といって
エイミーという少女がお父さんの作った船長の
人形といっしょに施設へ預けられ、
ニガウリ先生にいじめられるという
お話が発端になっています。

船長の人形キャプテンがエイミーに本を読んでもらう日々を送っていたときのこと
体が大きくなり始め、はずみで頭に針でぶすりと刺された瞬間本物の人間に・・・
施設を脱出してアリエル号の船長になってエイミーを迎えにきます。
そのとき、エイミーはキャプテンとは反対に人形になってしまっていたのです。

アリエル号には、宝の地図がしまわれていて、
宝を半分いただこうともくろんだ、
世にも不気味な
オニババという厚化粧でかつらをつけた女が乗り込んできます。
港で乗組員を募集しても、「アリエル号には魔女がいる」という噂が立って
人が集まりません。キャプテンは、自分が生まれてきた経験を元に
ステテコという航海士に人形と本を買いに行かせます。人形に本を読んで聞かせ
頭に針を突き刺せば、船乗りになるというのですが、
ステテコが集めてきたものは
動物のぬいぐるみと
「マザーグース」でした。

マザーグースには動物がたくさん出てきて、歌ったり楽器を鳴らしたりするのだから
船乗りになれるはずだというステテコの理論は当たって、
動物達の船乗りを乗せたアリエル号は無事に出港。
ところが、はじめから海賊船にねらわれます。
船の乗っ取りをたくらむ
デイビー・アヒルが海賊船に信号を送っていたのです。

黄金は、なんと
ゴールデンマンなる人物が隠していたのです。
この人物こそ、エイミーのお父さん、キャプテンを作った本人でした
そのうえ、オニババは施設にいたエイミーをかばってくれたエクレア先生だったのです。

キャプテンの浅はかさは、オニババと
一等航海士のクラウドがぐるで
何かたくらんでいると最後まで疑っていて、
本当の謀反人?? デイビー・アヒルを無視していたことです。
デイビーによって海賊船にアリエル号は襲われ、
乗組員とステテコ、キャプテンまで殺されてしまいました。
瀕死のステテコの機転で海賊船が爆破されなかったら
アリエル号は略奪されていたと思います。
キャプテンの帰りを待ちわびていたエイミーには、
キャプテンのかわりにお父さんという宝物が渡されました。

この本にはマザーグースの歌が章のはじめに必ず載せてあります
人形だった動物達に命を吹き込んだマザーグース
アヒルが船長、乗組員は白いネズミで首に鎖ををかけているという歌
はっとしました
「氷の花たば」の中の「妖精の船」そのままなのです。
アリソン・アトリーがマザーグースを自分の童話の中に持ち込んだのですね。

カエルのグリーン・スリーブズが、オニババの助手となって
料理を作るシーンはとてもおもしろかったです
オニババのセリフ、おたまでカエルをカツンとたたくシーンは
小気味が良かったです
カエルがオニババに恋をしたというのが突拍子もなくて、
エーッと声をあげそうでした
さいごにカエルが死んでしまって正体をあらわしたオニババ(エクレア先生)が
涙ながらに「私はカエルが好きでした。わたしのことをわかってくれたのはカエルだけでした」
と告白するところはジーンときました。

この本の下敷きにはやっぱり「宝島」があるような気がします。
宝捜しに乗っ取り、島から現われた男。
でも
本当の宝がお父さんだったというところ、
エイミーを守るために変装してつらい思いをしたエクレア先生の愛情、

マザーグースにいろどられているというところ、
これがこのおはなしのいいところだと思います。

 

ふねがいく、青い海を船がいく
あらあらなんてすてきなものばかり
たっぷりつんでいくのでしょう
部屋には砂糖菓子 蔵にはりんご マストは金で 帆は絹で
甲板に立つ二十四人の船乗りは二十四匹のしろねずみ
首に鎖を巻いている
船長はアヒル 小粋に上着を肩にかけ 船が動くとこう叫ぶ
クワッ、クワッ、クワッ

 

「The Wreckers」 呪われた航海 イアン・ロ−レンス 理論社
  

表紙を開けると地図が載っていて、真中に「トミーのつるされた絞首台」
と言うのが目に入り、表紙の帆船の絵とともに暗い予感を感じさせます。
怖い本でした。レッカーという、難破船から略奪行為をする者たちが
にせの信号灯でわざと船を難破させ積荷どころか乗組員の命も奪う
という話です。
アイル・オブ・スカイ号で初航海をした
ジョンは、にせの信号灯を見たあと
難破します。父の舟にはなにやら怪しいものが積まれていて
それが元で父と自分を残して皆殺しに会うのですが
ジョンはこの土地の有力者
モーガンに拾われ、父は人質として
足のない男にとじこめられます。
モーガンはレッカーの仲間なのか、善人なのかよくわからないまま
刊末にどんでん返しがあります。
父を救おうとして、足のない男と戦うジョン、支えるモーガンの姪メアリー
善人の顔をして実は大元締めだった牧師
モーガンの過去
そういうものがどんどん展開されてドキドキの連続でした。

海洋国(日本も)には生活のために難破船から何がしかをちょうだいしていた
歴史が必ずあるそうで、わざと難破させる犯罪行為を
行っていた地域も少なからずあったと知って、驚きました。

海洋用語がいろいろ出てきてメルヴィルの「白鯨」を思い出だしました

 

鬼の橋   伊藤 遊 作  太田大八 画

時代は、平安時代初期 小野篁の少年時代を描いた作品ですが
物語は、彼の妹が事故死することから始まります。
渡ってはいけないといわれた橋を渡って
荒れ寺でかくれんぼをして遊んでいた篁は、
妹を井戸に転落死させてしまいます。
そこから立ち直れない彼を待っていたものは、
「冥界」でした
冥界と現世を行き来しながら、父が造った橋を必死に守ろうとする
少女阿子那鬼の非天丸との交流ののちに
妹の死を乗り越え、成長を遂げていく少年篁の姿がさわやかです。

妹が沈んだ井戸に冥界の入り口があり、篁が見たものは
坂上田村麻呂でした。
死んでもなお京都の守りをしなければならない
田村麻呂は、最強の鬼、非天丸のつのを折ります。
非天丸を敵とみなす別の鬼が老婆に化けて
阿子那の橋を焼き落とさせようとしたとき、猛烈な火の中で
橋を支え、身を焼かれてしまう非天丸の姿に
篁は何を思ったのでしょう。
はじめから非天丸を疑い、最後には阿子那を食べてしまうのだと
思っていた篁でしたが・・・・

非天丸は、生きたものしか食べられない鬼でしたが
橋を守ろうとする阿子那に助けられて、
次第に人間へと変身していきます。
そんなふたりの姿を見て、篁も変わっていきます。
父への不信、母への憎悪が
次第に解きほぐされていきます

「えんの松原」にも通じるこのお話の芯は、
少年の心の成長ではないでしょうか
冥界へとつながっていた荒寺の井戸や
冥界から鬼がやってきたという入り口が京都には実在するといいます。

死とは隣り合わせで、鬼やもののけを信じていた人々の生活
が今では忘れられてしまったかのようですが
祖母の死に遭ったとき、死後の世界を考えたわたしの中に
いにしえの日本人の心があったのだと今になって思います。

 

 


夏の王
     O.Rメリング 作  井辻朱美 訳

アイルランドの祖父母の家を訪れていたオナーは
ハンググライダー事故で命を落とします。
双子の姉、
ローレルはそのことが自分の責任だと感じ
オナーの付けていた日記から、
妹が妖精国へ行きたがっていたこと
今も妖精国へ行けずにさまよっていることを知ります。
夏至の前夜のかがり火をともす
「夏の王」を探せばオナーにあえる
そう思ったローレルは、祖父母の町でつまはじきだった
イアンとともに
「夏の王」探しをするという筋書きです。

イアンが実は「夏の王」で、その激しさとイアン本来のやさしさとの
二重の性格をもつキーマンだったのですが
ローレルは彼を拒否しつつも、惹かれていきます。
彼が「夏の王」だと気付いたとき
夏の王がオナーを殺した張本人だと言うことがわかり
怒りと絶望にさいなまれます。

ケルト的な「七年めの魔法 ハイブラシル(夏の王の島)が七年目に現れる」
は理解しがたいのですが、アイルランドの人には見えるのでしょうか
おじいさんと孫が「ハイブラシルが現れた」と言っているくだりがあります。

イアンが夏の王の取り替え子として出てきましたが
二重人格的なイアンは、最後には人として活きることに決めます。
かわりにオナーは、妖精国の女王となるのですが
ローレルの冒険がオナーを救い、ローレル自身の心の闇を
解き放つのでした。
双子の姉妹の強い絆がベースになっています。
贖罪と言ったらあまりにも重いので、私は妹の死を乗り越えて
成長する物語だととらえたいです。

 

えんの松原   伊藤遊 作  太田八大 画

日本もののファンタジーがこんなにおもしろかったのかと
再発見したお話しです。
時は藤原氏が栄えた平安時代
人々は、怨霊やもののけを信じて暮らしていました。
その当時、菅原道真や伴大納言の怨霊によって雷や飢饉が起きて
人々が呪い殺されたと本当に信じられていたそうです。

ここに出てくる怨霊は
東宮憲平にとりついて病を起こさせるもののけでした。
「えんの松原」といって御所の近くにある松原は、怨霊が住み着いていると
うわさされて、切るのがはばかられていました。
わけあって女の子の姿で御所につかえなければならなかった
音羽
憲平と仲良くなりますが、彼にとり付いている怨霊の
正体を知って、憲平を助けてやりたいという思いから
「えんの松原」へなんども出かけて危ない目にあいます。

枝に止まる黒い鳥、それが怨霊の化身でした。
見てはいけないといわれてきた怨霊の姿を見てしまう憲平。
世間では元方の亡霊だと噂されていたものが実は女の子だったのです。
それも、憲平が生まれてくるときに男の子として生まれるように祈祷した
結果、女の子として生まれるはずだったその子が生まれずして葬りさられた
というものでした。

こんな祈祷が通用し、怨霊まで生み出してしまう世界が
日本にあったのかと思うと不思議でなりませんでした。
不思議を通り越して悲しみを感じたのは
「えんの松原」の存在でした。

時の権力者によって虐げられ、討たれた人々が現れ出る場所
その人たちの悲しみを無視して松原を切ろうものなら
痛みを忘れた人間がのさばり、怨霊よりもおそろしいことが起きるのです。
それが現代であることを示す言葉を音羽が言っています。

「うまくやるやつがいて、そのあおりを食うやつがいる。
そのしくみが変わらない限り、この世から怨霊がいなくなるとは思えない。
・・・・・中略・・・
忘れてしまうんだ、悲しい思いをしたまま死んでしまった人間のことなんか。
それはもしかすると、今よりもずっと恐ろしい世の中なのかも知れないぞ。」

物語の最後に、憲平は生まれるはずだった女の子の自分と会い、
ひとつになることで危機を脱します。
人の悲しみを理解するということがこの物語の真意なのだと感じました。

 

 

図説アーサー王の世界   デイヴィッド・デイ著 山本史郎訳 原書房

アーサー王伝説の成り立ちを図解。
「戦いの王アウトリアス」はローマ貴族アンブロシウスの甥として
実在し、サクソンやピクト、スコットの戦いに12度勝って
ブリテンを平定します。
伝説上重要な人物である、
魔術師マーリン、魔女モルガン、円卓の騎士
などが時代を経てどんどん書き換えられてしまったことが
とても興味深かったです。

たとえば、マーリンと名乗る人物が二人いたこと
それが、一人の最強で偉大な魔術師に統合されていること
元は「再生と癒しの魔女」だったモルガンが中世のキリスト教シトー派
によって悪名高い魔女に書き換えられ、ランスロットが高徳な騎士だったのを
王妃との不倫で聖杯を探求できない者に変えてしまったこと。
聖杯とは、キリストが最後の晩餐に使い、十字架に架けられた時に
血を受たものですが、元は
ケルトの神器大釜であったこと。
サトクリフのアーサー王はランスロットが主役のように描かれていましたが
円卓の騎士のほとんどが実在した騎士だったのに
彼はのちに作り上げられた架空の存在だったそうです。

大釜とはいにしえのケルトの宝のひとつで
豊穣をあらわすものだそうですが、メリングの
「歌う石」で読んでいたので
はっとしました。
トリスタンとイズーに出てくる竜退治は、
北欧神話ベーオウルフから来ているそうですが
「ニーベルンゲンの歌」のジークフリートの竜退治にも現れていて
つながりを感じました。

中世の時代を通り抜けて、時の覇者キリスト教団などによって
都合のいいように書き換えられたアーサー王が
なぜ人気があるのか、それは悪の力によって染まりきってしまった
時代を切り抜けようとしたアーサー自身の人間臭さだと思います。
もとのままの高徳な王や清らかな乙女だけではきっと堅苦しくて
あきられてしまっただろうと思います。

イングランドの歴代の王がアーサー王の子孫だと証明したがった
のは、理想の王国を築いた王へのあこがれ
があるのではないのかと思います。
「プリンス・オブ・ウェールズ」がアーサー王に関係していたことを知って
なるほどと思いました。

 

「ニーベルンゲンの歌」
竜の血しぶきを浴びたジークフリートは不死身になりますが、
たった一箇所だけ木の葉がついていて地を浴びなかったところがあり
敵にそれを知られて命を落とします。妻のクリームヒルトが復讐のために
すべてが死に尽くすまで戦うという物語です。

 

ベーオウルフ    ローズマリ・サトクリフ作 井辻朱美訳 沖積舎

アーサー王よりも前の時代のイギリスの英雄
三十人力のベーオウルフの怪物退治の物語。

舞台はデンマークの海岸、父の恩人で親友だったフローズガール王が
夜な夜な現れる怪物
グレンデルに人を食い殺されて弱っているところを
ベーオウルフがその快力で怪物を退治し、帰還する話。
(片腕を引きちぎるという豪快なやり方です)

老いたベーオウルフが宝を守っているという
を退治する話。
火を吐く竜にたった一人でたちむかう彼でしたが
竜の毒にあたり、最後の力をふりしぼって斧を竜に投げつけます。
息絶えるときに、ベーオウルフは「民のために竜の宝を残せてよかった」
と言います。火葬にした後、塚を築き「ベーオウルフの塚」として
船の水先案内になるようにと言い残したそうです。

アーサー王と同じ古い英語で書かれた同じ国の英雄でありながら
なぜほとんど知られていないのか
それは、原型のままだからではないでしょうか。
民のために、という高潔な王のままなのです。

グレンデルって「ハリーポッターとアズカバンの囚人」に出てきたはず
と思って見てみたらグリンデロー(水魔)でした
ベーオウルフのグレンデルは人狼です
ルーピン先生に生まれ変わったのかな?

 

ハリーポッターとアズカバンの囚人    ローリングス作 静山社

ホグワーツ3年生になったハリーが、
両親の殺された真相を知り、
ひとまわり大人になるという話
アズカバンにとらえられていたシリウス・ブラックが、
脱獄してさまよっているという噂が立ち、ハリーは
「吸魂鬼」にねらわれます。

ハリーの父とブラックとルーピン、
事故で死んだペティグリューが親友だったこと
ブラックは両親を殺した張本人だという噂を聞き、
憎しみをつのらせます。
真相は、ペティグリューの裏切りによって
ヴォルデモートに手引きをしたのであって
疑いをかけられたブラックがアズカバンに投獄されたということでした

ブラックが起こした事故によって死んだはずのペティグリューは、
ロンのペット、ねずみのスキャバーズに変身して
ハリーに近づいたのでした。
ルーピンが人狼で、それを隠すために親友たちがスネイプを
懲らしめ、それがハリーを憎むもとになったというのも
ここではじめてわかりました。

両親を裏切って、ヴォルデモートに売ったペティグリューを
憎むハリーはこの巻でひとつ大人になります
ペティグリューを殺そうとした、ブラックやルーピンを止めたのです。
ペティグリューは逃げ、ヴォルデモートの手先としてその復活を
助けるかも知れないのですが・・・・
「吸魂鬼」を追い払う魔法を身につけたハリーですが
それは、両親の死の真相を知り、
自分を守ってくれるブラックとの出会うことによって
成長したということでした。

ハーマイオニーが使う「逆転時計」によって、見事に事件が解決
するところはとてもおもしろかったです。

 

歌う石 O,R メリング 講談社

自分のルーツを確かめにアイルランドへやってきた
ケイが、古代神話の世界へ迷い込み
記憶喪失の少女
アエーンとともに
ダナーン族の四つの宝の探索をする物語

剣、槍、大釜、石の4つをもって、侵略の憂き目にあった
ダナーン族を救うという目的は
結局、ダナーンの女王エリウ(アエーン自身でした)とゲーディル族の王
アマージンの結婚という形でアイルランド民族の始まりとなります。
エリウ=エール(アイルランドの原語よみ)

「王は7年ごとに死ぬ」(サトクリフ作 王のしるし)というしきたりが、
ここにも出てきました。7年で女王が交代するのですが
エリウは女王になるという時、敵の王を愛したために
ドルイドから排斥されようとしたのですが
そのことが逆に民族の安泰につながったのでした

驚くことに、ケイは
妖精の取替え子で、エリウとアマージンの娘
だったことが最後にわかります。
イニスフェール(アイルランド)を救うために、ケイという娘の姿で
エリウを手助けしたというわけです。
ケイは、現実の世界では幻視を見ることができ、イニスフェールでは
魔術を使えました。
女王の交代に、取替え子が呼び戻されたのではないかと
私は思います。

妹尾ゆふ子作 「チェンジリング」 ハルキ文庫 を読むと
取替え子のことがわかります
こちらはとても現代的で、7年の7倍の年の女王の交代
で取り替え子の美前が呼び戻されるという筋書きです。

 

ドルイドの歌 O,R メリング 講談社

ドルイドの歌に引き寄せられて
ローズマリーとジミーの姉弟は、古代ケルトの時代に
入り込みます。
アイルランドの
アルスターとコノハトの戦いは
一人の少年クーフーリンによって、大展開するのですが
ローズマリーとジミーは、コノハト軍の戦士として
戦ううち、アルスターの間者と間違われて
命を奪われそうになります。

ドルイドのピーターが、現実世界に連れ戻すのですが
コノハトのメインと恋に落ちてしまったローズ
クーフーリンと友情を誓ったジミーは
再び、元の世界に戻ります。

相手を殺さなければ、自分も殺されないという
魔法をドルイドにかけてもらった二人ですが
戦の非条理、無意味さを実感します。
名誉のために戦うという真理が
古代ケルトにはあったそうですが
それは、私利私欲や大義名分ではない
自分のための戦いだったのです。

現実世界に帰ってきた二人が感じたことは
いつでも、自分の力でクーフーリンやメインに
あえるという真理でした。
「妖精王の月」にも別世界がすぐ隣にある
ということが描かれていましたので
なるほどと思いました

 

妖精王の月 O・R メリング作 講談社

フィンダファーとグウェンのふたりのいとこは、夏休みにアイルランドの
妖精探しの旅を計画します。タラの丘の
「人質の墳墓」と呼ばれる
ケルトの遺跡の中でキャンプした二人のうち、フィンだけが妖精に
連れ去られます。なぜならフィンは妖精の世界へ行きたがっていて
これはあとでわかるのですが、
妖精王フィンヴァラが王妃といけにえを
求めていたからです。
似た名前の妖精王にフィンは恋をしてしまい、王妃になって
現実の世界へ帰れなくなってしまったので
グウェンの、フィン救出の冒険が始まります。
グウェンはもぐりこんだ妖精界「フェアリーランド」で
食べてはいけないといわれた食べ物を食べたために、
のちの冒険でさまざまな障害に会います。
グウェンはいけにえとしてねらわれていたのです。

でも、「赤毛の人間を信用せよ」というグウェンの守護精の言葉を信じて
赤毛の二人に助けられ、フィンをインチ島まで追跡しました。
ところがそこでグウェンは
「妖精の矢」に当てられてしまうのです。
小さな男の子がくれた赤いりんごを食べてしまった時にそれは起こりました。

気力、体力を亡くして道端に崩れ落ちたグウェンを助けたのは
「インチ島の王」と名乗るダーラとその大叔母グレイニアで、
この人たちこそ、「フェアリーランド」の危険な秘密、
「狩人の月」から
妖精たちを守るべき方法を見つけ出した人たちでした。

「狩人の月」が来ると大蛇が現れていけにえを食らい、
フェアリーランドの平和が維持されると言うのですが、
「ハリーポッターと秘密の部屋」の
シーンを思い起こしました。
グウェンをいけにえにしてはならない、フィンを現実の世界に戻さなくては
そのためには
「楽園の七天使」が必要という答えをグレイニアは出します。
このおばあさんは、かつてフィンのようにフェアリーランドへ7年間出かけて
王妃となって、帰ってきた人だったのです。そういう人は、魔女と周りから
呼ばれるようですが、グウェンの病を治す方法がすごいです。

「楽園の七天使」とは、フィンダファー、グウェニヴァー、
赤毛のふたりケイリントンとメイチュ、ダーラ、グレイニア、
それに妖精王のフィンヴァラ
でした。
妖精王がそれぞれの名前をゲール語で呼んだ時、
魔力が与えられたようだと私は思います。

大蛇
「クロム・クルアク」を退治したとき、妖精王は不老不死の力を
失ってしまいました。フェアリーランドはどうなってしまったのでしょう。

グウェンがフィン探しの旅をしているときに現れた妖精たち
グウェンにかけられた魔法の強さが私の考えていたケルトの妖精や魔法とは
まったく違うものだということを知りました。
グウェンのカナダ人的な「白か黒か」「どちらか一方だけ」という考えが
フィンにも、ダーラにも他の4人にもなかったこと
妖精と現実の世界が隣り合わせにあるという考えを生粋のアイルランド人は
持っているのだということを知りました。
グウェンの妖精の国を探したい、という子どものころからの夢がかなったとき、
「のぞいてみたいだけだとわかった。
現実の世界を捨てようと思ったわけではない」
と彼女は言います。
私は、グウェンの考えが好きになりました。

「インチ島の王」ダーラとグウェンが恋に落ちる場面が印象的でした。
きれいでもなくスタイルも良くないグウェンを
「きみの考えは好きだな」
と言って彼女の内部を好きになるダーラを、私も好きになりました。
ダーラがおばばと呼んだグレイニアは私の憧れです。
妖精の国から帰ってきて、魔法を使って、妖精にとりつかれた人を
助ける仕事をし、夢と現実をしっかり見据えてどちらの世界にも行ける。
こんな人になれたらいいなと思いました。

今からでも遅くない・・・?

 

月神の統べる森で たつみや章作 講談社

縄文から弥生に時代が変わる頃、月の神の子シクイルケ
そのいとこでムラの長の
アテルイは、
ヒメカと呼ばれる新参者のカムイを無視した
やり方に怒って、話し合いに行きます。
ところがヒメカの長であるヒコは二人を捕らえて侮辱しました。
シクイルケは月の神の力を借りて皆の脱出を図りますが
怪我のためにムラへ帰り着くための逃亡の途中で倒れてしまいます。
途中マムシにかまれた
ポイシュマという少年に出会い、
傷ついた体でシクイルケは彼を助け、
追跡してきたヒメカの
ワカヒコという少年も助けます。
ポイシュマは星の子でしたがそうとは知らずに育った彼が
成人の儀式をしたとき、父と兄、姉がカムイであったことを知ります。

ヒメカ対アテルイ、ポイシュマの戦いが始まります。
カムイとシクイルケに助けられたポイシュマの射る矢が敵を倒しますが
死にかけたワカヒコを助けたシクイルケは命を落としてしまいます。
一度はワカヒコを友達だと思ったポイシュマの心に、憎しみが生まれます。

ワカヒコのせいでシクイルケが死んだ。
でも、その気持ちは次第に変わっていきます。
シクイルケの思いを知ったからです。
銀色の髪と、白い肌の月神の息子シクイルケの自分の役目
それは二人の少年の運命を結びつけることだというのですが・・・

すべてのものにカムイが宿る。
カムイを無視したヒメカの民とは、われわれ日本人の祖先なのです。
ヒメカはアテルイのムラを滅ぼすのでしょうか。
ヒメカは日の神の民、月の神の民はいつか忘れ去られてしまうのでしょうか。

太陽信仰の民と月の信仰の民がケルトにもあったのは偶然でしょうか

 

ハリーポッターと賢者の石 ローリングス作 静山社

子どもはもちろん魔法が好きな大人にとっても
夢中になってしまいます
カエルチョコレート、耳あか味の百味ビーンズ、
ニンバス2000などすごい発想の小物が出てきておもしろい

ハリーは無事に賢者の石を手に入れることができるでしょうか

 

ハリーポッターと秘密の部屋 ローリングス作 静山社

ホグワーツ魔法魔術学校には
秘密の部屋がありました
50年前に部屋が開かれたとき
誰かが殺されました
そしてこの年、またも部屋が開かれるというのです
学校の生徒が犠牲になったとき
ハリーとロン、ハーマイオニーは校則を犯して
行動を起こします
さてその後は・・・

 

エルマーと16ぴきのりゅう R.Sガネット作 R.Kガネット絵 福音館

エルマーの冒険、第三作

エルマーが助けたりゅうの「ボリス」には
たくさんの家族がいました
人間達から、りゅうたちを助けるために
エルマーが大活躍

 

ニルスの不思議な旅 ラーゲルレーヴ作 偕成社文庫


アニメでおなじみの「ニルス」の原作
こちらのほうが風景の描写が
壮大で、表現が美しいです
妖精の魔法で小さくされてしまったニルス、
長い旅の末に迫られた選択とは・・・

 

おっきょちゃんとかっぱ 長谷川摂子文 降矢奈々絵 福音館書店


川底のカッパのお祭りに誘われて
おまつりのおもちを食べてしまった
おっきょちゃん
水の外のことを全部忘れてしまいます

ある日、おうちのことを思い出して泣き出す彼女に、
カッパたちがしてくれたこととは・・・・

 


ふきまんぶく 田島征三  偕成社

ふきちゃんは、ある夏の夜
ふき畑で遊んで、ふきの中に入ってしまいます
ふきたちが自分たちと同じ名前のふきちゃんを
子どもにしてしまったようです
秋が来て、冬になっても、ふきちゃんが遊んだ
ふき畑は暖かな色をしています
春、ふき畑に行くと・・・・・・

田島さんの、泥絵の具でダイナミックに描かれた
挿絵が、なつかしくてほっとさせてくれます

 

スチュアートの大ぼうけん
E・B ホワイト作 ガース・ウィリアムズ絵


映画「スチュアート・リトル」の原作です
映画ではリトル家の養子として
ネズミのスチュアートが登場しますが、
ここではお母さんからネズミの子が生まれてきます。
あまりに小さくてブラインドに巻き込まれて
見つけてもらえなかったり(これは猫の仕業でした)
なくしものを見つけるのにいいように使われたりします。
小鳥のマーガロに出会って、
真の友情を深めるのですが
またしても猫の仕業で、逃げていってしまいます。

そこで、スチュアートのマーガロ探しの冒険が始まります。
ほんとにガソリンで走る車に乗り、
カヌーまで作リます。
でも、マーガロの行った南とは
反対の方角に行ってしまうスチュアートは
この先どうなってしまうのでしょう。
話が途中で終わっているのか、
後は読者の想像にお任せのようです。

映画にでてきたかわいい、
おとなし目のとは違った
自立心にあふれたスチュアートが描かれています。

 

グリックの冒険  斎藤惇夫作 岩波少年文庫


飼いりすのグリックが
自分の本当の うち (北の森)へ、
ガンバに助けてもらったりしながら
冒険をするお話です。
  
どうなるのかな?

 

ガンバとカワウソの冒険 斎藤惇夫作 岩波少年文庫

ガンバと15匹の仲間たち(ねずみ)と、カワウソ、かもめ
など楽しい仲間たちが登場します。

どきどきしたり、
おどろいたりするけどとてもおもしろいお話です。

一番おもしろいところは、ガンバたちが船に乗って
かもめたちに引っ張ってもらうところです

 

冒険者たちガンバと15ひきの仲間

斎藤惇夫作 岩波少年文庫

どぶねずみのガンバの初めての冒険
「夢見が島」へ、イタチに襲われた、
一匹のネズミの仲間を助けに行き
危険なイタチと戦うお話

 

かけた耳 エルジェ作 福音館書店

タンタンの冒険旅行シリーズ no.16

すりかえられた木像をめぐって
タンタンと、悪党が
知力戦を展開
本物の像にはダイヤが隠されているとは知らない
タンタンは・・・・

 

タンタン、チベットをゆく エルジェ作    福音館書店

タンタンの冒険旅行シリーズ no.5
少年記者タンタンと、愛犬スノーウィーの
事件簿を漫画仕立てで、ストーリー展開しています

複雑怪奇な事件を
得意の機知とユーモアで解決していきます
名脇役のハドック船長の
おとぼけ&おおまじめなせりふがイイ !!
読み出したら止まらないおもしろさです

 

大どろぼうホッツェンプロッツ ブロイスラー作 偕成社文庫


ちょっと間抜けなのにちょっと怖いどろぼうさんと
これもちょっとユーモラスな魔法使いが
ゼッペルとカスパールという2人の少年にうまくだまされて
つかまってしまう ハラハラドキドキのおもしろいお話

 

「魔法使いハウルと火の悪魔」  ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作 
                         西村醇子訳 徳間書店

魔法使いに悪魔、これはハリポタみたいなすごいファンタジーだと思いました
帽子屋の三姉妹の長女ソフィーは、「荒地の魔女」ののろいで老婆にされてしまいます。
魔法使いハウルの住む空中の城に掃除婦として住み込むことにするのですが
城の中にはハウルに魔力を提供している火の悪魔カルシファーがいました。
ハウルとの契約を破って自由にして欲しい、とカルシファーはソフィーに言います。

ハウルはハリーポッターと秘密の部屋に出てくるキザな教師に良く似ていて、
魔法の服を着て女の子をかどわかしています。
ソフィーの妹達もわなにはまってしまいます。
ソフィーはそんなハウルの仕事? のじゃまばかりしてハウルを怒らせるのですが
城を出て行けとは言いません。
なぜなら、ソフィーも魔女だと言うことを知っていたからです。

ハウルの最終目的は「荒地の魔女」と闘ってとらわれの身の王子を救い出すことでしたが
そんなことはおくびにも出しません。
荒地の魔女はハウルにのろいをかけてきます。
かかしや、犬人間、アンゴリアンという女性教師を使って探りを入れますが
それらがみな、思いもかけない正体を現した時に
王子が救い出され、ハウルとカルシファーの契約がやぶれ、
ソフィーは元の姿に戻ります。

火の悪魔、というのはカルシファーのことだと読み初めからずっと
思っていたのですが「荒地の魔女」に力を貸している
最悪の悪魔だったのです。それはだれだったのか読んでからのお楽しみ・・・・

こわさ、リアルさはないのですが話が最後の最後までどうなるやら
ドキドキしどおしです。

 

「りかさん」  梨木香歩作  偕成社

ようこの家には父母がよその家から寄せ集めてきたお雛様が、
ともだちの家にはおじいさんが趣味で集めた年代物のお雛様がありました
リカちゃん人形がほしいようこが、おばあさんからもらった
「りかさん」
は市松人形で、かしこいよい人形でした。
というのは、人形は女の子の強すぎてはみ出たところを吸い取って
直してくれるというおばあさんの考えによるものでした。

そのとおり、「りかさん」はようこの家のお雛様のふつりあいからくる
乱れを直し、友達の家のお雛様の悲しみや怒りを感じ取り
業となった原因を突き止めます。

汐くみ人形の外れなかった台座の中から黒焦げになった西洋人形が
出て来たのには驚きのあまり叫びそうでした。
その人形の持ち主だった女の子の悲しい死、人形への無残な仕打ちが
怨念となってその家の女達を苦しめる様は怖いというしかありませんでした。

「りかさん」とおばあさんが
業にとらわれた人形に救いの手を差し伸べるところ、
人形をよく知り、よく扱うことがよい女性になるための方法だと
感じさせてくれるところがさわやかで、新鮮です

 


なぞなぞ100この本

M・ブラートフ採集 松谷さやか編・訳 M・ミトゥーリチ絵
福音館書店

ロシアに昔から伝わるなぞなぞを100個集めた絵本
挿し絵を見ないと、答えがわからないのですが
あまりの表現の豊かさ、奇抜さ、ロシアらしい抽象が
おもしろくてやめられません


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